
新しい袋の粉に変えただけで、慣れたレシピが別物のように感じられることがあります。水を多く吸ったり、広がりやすくなったり、目の詰まったクラムになったり。折りたたみ方を変える前に、ボウルの中で何が変わったのかを確認しましょう。
レシピが指定する粉を使いましょう。パン用小麦粉は型を使わないパンの出発点として便利で、汎用小麦粉も使えます。生地を知りながら、全粒粉を少しずつ取り入れてください。
粉の特徴をひと目で。
| 粉 | 特徴 | 予想される変化 |
|---|---|---|
| パン用小麦粉 | 生地に強さとしっかりした食感を与えます。 | 型を使わないパンの土台に便利です。比較条件の近い汎用小麦粉より、多くの水を吸う傾向があります。 |
| 汎用小麦粉(オールパーパス) | 用途の広い精製小麦粉です。 | おいしいサワードウも作れます。たんぱく質の少ない銘柄では、同じ加水率でも生地が柔らかくなることがあります。 |
| 小麦全粒粉 | ふすま、胚芽、胚乳を含み、小麦の風味が強く出ます。 | 水と水和の時間を多めに必要とする傾向があります。精製粉だけのパンとはクラムが変わります。 |
| ライ麦粉 | 土を思わせる風味と、粘りのある生地になります。 | 小麦と同じグルテンの網目は作りません。ライ麦の割合が高いパンには、専用のレシピを使いましょう。 |
| スペルト粉 | 穏やかなナッツの風味を持つ、小麦の一種です。 | 伸びやすい一方、形を保つ力は弱めです。優しく扱い、多量に使うときは対応する配合を選びましょう。 |
| 菓子用小麦粉 | 柔らかい食感を出す、たんぱく質の少ない小麦粉です。 | 背の高いサワードウの主な粉より、ケーキ、クッキー、菓子づくりに向きます。 |
一般的な傾向であり、すべての銘柄が同じ規格という意味ではありません。詳しくは下の製パン資料をご覧ください。
袋で読むべき、3つのこと。

穀物の種類
小麦、ライ麦、スペルトは同じようには扱えません。スペルトは小麦の一種で、ライ麦は別の穀物です。
全粒粉か、精製粉か
小麦全粒粉にはふすまと胚芽が含まれます。精製されたパン用粉と汎用粉では、その大部分が取り除かれています。
たんぱく質
似た小麦粉同士を比べるとき、生地の強さを考える手がかりになります。ただし、その数値だけで生地全体を説明することはできません。
具体例として、King Arthur は自社のパン用粉をたんぱく質 12.7%、汎用粉を11.7%と表示しています。これは各商品の仕様で、世界共通の定義ではありません。別の銘柄の汎用粉は異なる振る舞いをする可能性があります。メーカーの解説(英語)をご覧ください。
たんぱく質が多くても、必ず背の高いパンになるわけではありません。全粒粉では、ふすまが生地の形成とガスの保持に影響します。菓子用全粒粉には、より軟質な小麦も使われます。ライ麦やスペルトではたんぱく質の働きも異なります。食べたいパンに合わせて粉を選び、目の前の生地を確かめましょう。
00、白小麦の全粒粉、セルフライジング粉とは?
00:精製度を表すイタリアの分類(イタリア語)です。「低たんぱく」を意味するものではありません。たんぱく質の仕様と用途を確認してください。ピザ用にも菓子用にも、この表示が付くことがあります。
白小麦の全粒粉:白小麦の品種を丸ごと挽いた粉で、従来の赤小麦の全粒粉より穏やかな風味です。ここでの「白」は品種を指し、ふすまや胚芽を取り除いたという意味ではありません。
セルフライジング粉:膨張剤が添加され、塩を含む場合もあります。King Arthur の製品には両方が入っています(英語)。サワードウのレシピの無添加の粉を、そのまま置き換えることはできません。
ダークライ麦粉:呼び方は製造者によって異なります。色だけで判断せず、全粒粉かどうかを確認しましょう。
粉を変えたら、水の量にも目を向ける。

同じ加水率でも、粉が違うと触り心地は大きく変わります。パン用粉は条件の近い汎用粉より多くの水を吸う傾向があり、全粒粉を使うとさらに違いが生まれます。パン職人 Andrew Janjigian が、粉による生地の硬さの変化を説明しています(英語)。湿った感じの生地が、必ず追加のこねを必要とするわけではありません。
- 一つの変更から始める。普段の大きさと方法を保ちます。ひとつかみ追加するのではなく、量った分の粉を置き換えましょう。
- レシピで可能なら、水を少し取り置く。粉が水を吸う時間を与えてから、残りを加えるか判断します。実際に使った水の量を記録してください。
- 発酵を見る。新しい粉の配合で、進み方や手触りが変わることがあります。時間の記録に加えて、膨らみ、気泡、強さを見ましょう。
精製粉 80% + 小麦全粒粉 20%
粉の総量が 500g なら、スターター内の粉も含めて精製粉 400g + 全粒粉 100gです。
加水率 100% の精製粉のスターターを 100g使う場合、その中に粉 50g と水 50g が含まれます。目標の配合にするには、精製粉 350g + 全粒粉 100gを加えます。
これは粉の計算方法を示す例で、パンの完全なレシピではありません。水、塩、発酵は、適切な配合と手順を別に決める必要があります。全粒粉、ライ麦、スペルトを主に使うパンなら、その粉のために作られたレシピから始めましょう。大きな置き換えを、水の量の推測だけで済ませないことが大切です。
スターターの餌も同じ粉である必要は?
ありません。精製粉で管理したスターターでも、小麦全粒粉やライ麦を含む生地を膨らませられます。ただし、スターターの粉もパン全体の粉の配合に含めます。
新しいスターターを育てるときには、ライ麦全粒粉や小麦全粒粉も使われます。King Arthur の方法(英語)は全粒粉から始め、後に汎用粉で種継ぎします。安定してからは餌の粉を一定にすると、膨らみを比較しやすくなります。粉を変えたことだけで、パンに使える状態が証明されるわけではありません。
空の瓶から始めるなら、図解付きスターターの育て方で分量と毎日の手順を確認できます。
参考資料と関連する読み物
この比較は、製パンにおける一般的な振る舞いを説明しています。使う商品の仕様を確認し、その粉に適した配合に従ってください。
- King Arthur Baking: Protein percentage(英語)
- King Arthur Baking: Types of flour(英語)
- King Arthur Baking: Bread flour vs. all-purpose flour(英語)
- King Arthur Baking: Whole grains(英語)
- King Arthur Baking: Types of rye flour(英語)
- King Arthur Baking: Make Jewish rye bread, part 2(英語)
- Andrew Janjigian / Wordloaf: Know your dough(英語)
- Molino Bertolo: 粉の分類と強さ(イタリア語)
- King Arthur Baking: Sourdough Starter(英語)
さらに読む:小麦全粒粉とライ麦(英語) · 加水率を理解する(英語) · 製パン記録を付ける。